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コラムコーナーとは

 ここコラムコーナーでは岳文会員に自由気ままに何かを綴ってもらっています。
 もしかしたら親しい人の意外な一面や、正反対だと思っていた人との共通点が見つかるかもしれません。
​ 文字を通じて理解や親睦が深まる、そんな場になればいいなと思います。
​ 更新は月1回程度です。
広報より 
Column  -コラム-

「腸を病む男の沖縄日記」

67期 稲垣

【沖縄一日目】
沖縄の旅を思ひて心躍り、早くより起きぬ。身づくろひを整へ、空港に赴く。なお寝ぼけて第三の舶来場に降り立つ。されど無事に空港に至り、また集ひの処にも到着す。かの所より、いづちともなく詫びの声聞こゆ。声の主は石神よりきなり。ややありて一行、沖縄に向かひて発つ。やがて到りて、八十八といふ牛肉の店に入り、夕餉を賞味す。後に宿に帰り、皆とともに酒を酌み交はす。よき心地して寝入りぬ。されど冷房ひどく寒し。
【沖縄二日目】
暁に起きぬ。身にとてつもなき寒気を覚ゆ。これ冷房の寒きに由るならむと信じ、皆とともに港に赴く。船に乗りぬれば、暑さと揺れと相まみえて、たちまち大いに酔ひてしばし伏す。されど心のわろきを顧みず、気を奮ひて海に遊ぶ。海はいたく浅くして、岩に足を傷つく。やがて、空を翔く遊びの刻となりぬ。酔ひを恐れつつも、ふたたび舟に乗る。友ら歓声をあぐるなか、われは遥かなる彼方を凝視して心を鎮む。ありがたきことに、空の遊びを楽しみ、また酔ふこともなかりき。しかるに、かたはらなる馬籠遥大といふ珍しき男、顔色蒼白に見えたり。ひどく身の具合悪しくなりて、昼餉の後はただ臥すのみ。なほ力をふるひて、かろうじて集ひの写真を撮り、舟にて本土へ帰り着く。さらに車を雇ひて宿に至る。友らは酒宴に赴くといへども、われは明日には癒えむと信じ、床に入りて眠ることとす。
【沖縄三日目】
高熱にて目をさまし、もはや皆とともに行くこと能はじと確信す。薬を服して眠りぬ。友らは出で行けども、われは三十刻ごとに下痢を催すに至る。誰もなきゆゑ、命からがら市に赴きて、水果物と飲み物を購ふ。病院に行かむとも思へど、内科はあひにく定休日なり。残れるは美容の皮膚を治むる所と、髪を生やす院のみ。皆の写真を眺めつつ、羨ましさに身を震はす。残るはこのくりかへのみ。皆、土産を持ち来たり。その品、まことに下袴にてぞありける。
【沖縄四日目】
つひに復活せず。下痢止む薬を服して、空の舟に乗り、都へ帰りぬ。  

験の報ずるところ、カンピロバクターと名づくるものによりて食中毒を得たり。

​Column

A Word of the Month-ひとこと-

今月の詞の欄は、六十七期の書きけるところなり。かたじけなし。

食あたりは実に畏ろしきわざなり。

​沖縄は必ずや来たる年に再び挑まれよ。​​

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